
NEUROスタジオ大阪の大上です!
本日のお話は、前回、前々回に続いて『ヒトの足部について』です!
特に前足部の特徴についてお話しようと思います
複雑な内容は好きじゃないので、簡単に記載します!
なので、そうなんだ~くらいでみてもらえればと思います!!
Contents
ヒトと類人猿で異なる前足部の構造
参考論文は以下です
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21311018/
前回、前々回もお伝えしましたが、ヒトの足部は特徴的な構造をしています。類人猿であるチンパンジーやゴリラと比べても、骨の形状が違うわけです

特に前足部は中足骨で構成されるパートとなっていますが、類人猿との大きく違う点は
✔︎第4中足骨底から中足骨頭にかけて捻転している(チンパンジーは捻転がごく僅か)
✔︎中足骨底から中足骨頭にかけて前傾している(チンパンジーは前傾を認めない)
✔︎中足骨頭の関節面が背面を向いている(チンパンジーは掌側に向いている)
です
なぜ中足骨は「捻転」しているのか?
まず中足骨の捻転に関して、
なぜ第4中足骨なのか?これは、二足直立歩行を獲得していたであろうとされる、アウストラロピテクスの第4中足骨の化石が見つかったことが背景にあります
この第4中足骨の化石とヒト、チンパンジー、ゴリラを比較し、二足直立歩行を獲得したヒトとアウストラロピテクスに捻転を認めたわけです
この捻転の意味は足部に横アーチが存在した背景だと考察されています
つまり、二足直立歩行には足部のアーチが必要だったのではないか?
ということを解釈できるかもしれません。
中足骨の前傾とMP関節の機能
次に、中足骨が前傾していることに関して、

これも類人猿と比べて、ヒトとアウストラロピテクスは約8度関節面に対して前傾していることが認められています
ここでも足部の縦アーチが存在したと考察されています。
これに加えて、3つ目の中足骨頭の関節面が背側向いている点に注目してみましょう!
そうです、中足骨の前傾と関節面が背側を向いている点を合わせてみてみると、MP関節が伸展しやすい形状をしていることがわかります
つまり、立脚後期にかけて推進力を生成するためには都合の良いアライメントになっていることがわかります
二足直立歩行にとって、MP関節が伸展できるかどうか?ということはすごく重要な進化の過程だったのかもしれません!
臨床的な評価への応用
臨床的にこれらの知識をどうするのか?
✔︎荷重をした際に、横アーチ、縦アーチは崩れていないのか?
✔︎爪先立ちはちゃんとできるのか?
✔︎アーチをサポートすれば立脚期が安定するのか?爪先立ちは安定するのか?
そんな風にみてみると、評価の視点が増えるのではないかと思います。
足部の介入方法などTikTokやインスタで配信していますので、是非ご覧ください!!
Tik Tok: @user3ssjhcic4k
Instagram: @neuro_studio2021
FAQ(よくある質問)
ヒトと類人猿の足の骨格にはどのような違いがありますか?
ヒトの中足骨は「捻転」し「前傾」している点が最大の違いです。チンパンジーなどの中足骨は平坦で捻れが少ないのに対し、ヒトは立体的なアーチ構造を形成するために骨自体がねじれ、地面に対して角度を持った形状に進化しています。
中足骨の「捻転」にはどのような機能的役割がありますか?
中足骨の捻転は、足部の「横アーチ」を形成する基盤となります。第4中足骨などが長軸方向にねじれることで、足の甲がドーム状に隆起し、体重を支えるための剛性と衝撃吸収機能を高める構造的背景となっています。
アウストラロピテクスの足はヒトと同じ構造だったのですか?
アウストラロピテクスは、現代人と非常に似た足部構造を持っていたことが化石から判明しています。特に第4中足骨にヒトと同様の捻転が認められることから、彼らはすでに足のアーチを持ち、完全な二足歩行を行っていた可能性が高いとされています。
MP関節(足の指の付け根)が伸展しやすいことのメリットは?
歩行の蹴り出し(立脚後期)において、効率的に推進力を生み出せることです。中足骨頭が背側を向いていることでMP関節が反りやすくなり、ウィンドラス機構などが機能して、足部を硬いレバーとして利用することが可能になります。
この知識を臨床的な足部評価にどう活かせば良いですか?
荷重時のアーチの形状変化と、爪先立ち動作の安定性を評価します。構造的にアーチが機能しているか、MP関節が適切に伸展して推進力を生み出せているかを確認することで、歩行時の不安定性の原因を特定する手がかりとなります。
次回は、『ヒトの足部について④』アーチを構成する筋やウィンドラス機構の話をして完結したいと思います!
参考文献
- Complete Fourth Metatarsal and Arches in the Foot of Australopithecus afarensis Ward CV, Kimbel WH, Johanson DC. Science. 2011 Feb 11;331(6018):750-3. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21311018/
執筆者情報
大上祐司(おおうえ ゆうじ)
NEUROスタジオ大阪 施設長 / 理学療法士

主な研究業績
2019年 ボバースジャーナル42巻第2号 論文発表(2編)
『Sit to Walkの効率的な運動遂行を獲得するために臨床推論を行い改善が得られた1症例』
『被殻出血後7ヶ月経過し、屋外歩行自立に向けて挑戦した1症例』
研修会受講歴
2018年 イギリス海外研修参加(脳卒中治療技術)
2019年 イギリス海外研修参加(最新エビデンス習得)
継続的な国内外研修会参加によるスキルアップ
