本日のお話は、前回に続いて『ヒトの足部について』です
特に系統発生学的な側面からお話ししようと思います。と言っても、難しく考えず、簡単な内容となってますので、「そうなんだ~」くらいで見てもらえればと思います!
ヒトは唯一二足直立歩行を獲得した種でありますが、それには特徴的な、独特な足の形状が必要です
類人猿であるチンパンジーは二足歩行は可能ですが、歩容はヒトと比べても全然違うわけです。大きく違うのは股関節が伸展しているかどうかです
股関節と足部の関係ってすごく重要です
例えば、Trailing Limb Angle(立脚後期における、大転子から第5中足骨頭へのベクトルと垂直軸を成す角度)やHeel Strike はその一つですね
歩行時の床半力垂直成分を増大させるためには、足部の状態がすごく影響しているわけです
そんな風に、歩行の踵接地にはどういう足部の状態がいいのか?立脚中期、立脚後期ではどのような状態がいいのか?を思いながらヒトの足部の特徴を見ていくと覚えやすいかなと思います!
では、ヒトとチンパンジーは何が違うのか?
チンパンジーに比べて…
✔︎後足部
・頑丈な逞しい踵骨(チンパンジーは華奢)
・踵骨に付着する長いアキレス腱(チンパンジーは短い)
✔︎中足部
・横アーチ、縦アーチの存在(チンパンジーにはない)
✔︎前足部
・逞しい第一中足骨が内転位に位置している(チンパンジーはか弱く外転位)
・中足骨頭が背側にドーム形状をなしている(チンパンジーは掌側)
・推進力を生成する、第1、2中足骨頭が横軸をなしている(チンパンジーは斜め)
となっています
二足直立歩行には本当にそういう形状が必要だったのか?
今お話しした比較は現代人であるホモ・サピエンスとチンパンジーを比較したものです
じゃあそれだけでは二足直立歩行に必要なのかどうかわからない…と思う方もいるのではないかと思います
実は、私たちの遠い祖先であるアウストラロピテクス・アファレンシス先輩の足跡の化石から、踵接地の存在と、前足部の推進力生成に関与していた痕跡が見つかり、おおよそこの仮説は正しいであろうとされています
なので、まぁ確からしいのかな?くらいで思っていてください
以上の系統発生学的知識から、患者さんへの還元としてどのように応用するか?
・踵接地に必要なアキレス腱の状態は?
・立脚中期でのアーチはどうなってる?
・立脚後期で前足部の状態は?
そんな風に評価の視点が増える事を願いたいと思います!
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次回は、『ヒトの足部について③』もう一度、進化のお話をしたいと思います~!