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生活習慣病の予防と健康づくりに向けて

現代の日本では、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病が、死因や健康障害の大きな要因となっています

生活習慣病とは、「健康的とは言えない生活習慣」が原因で発症・進行する病気の総称であり、逆に言えば、生活習慣を見直すことで予防や改善が可能な病気です

生活習慣病の代表例としては、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、肥満、動脈硬化、心疾患、脳卒中などがあります

その他にも、慢性腎臓病、高尿酸血症、脂肪肝、COPD、大腸がん、歯周病など、多くの病気が生活習慣と深く関わっています

これらの疾患は、多くの場合自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行してしまうのが特徴です

生活習慣病の原因は、細菌やウイルスなどの病原体、遺伝的体質、そして生活習慣に大きく分けられます

その中でも、特に食事・運動・睡眠・嗜好(飲酒・喫煙)などの生活習慣は、病気の発症や進行に深く関係しています

世界保健機関(WHO)では、これらをNCDs(Noncommunicable diseases=非感染性疾患)と位置づけ、国際的にも予防対策の推進が求められています

行政レセプトデータベース(DeSC)から推定されたNSDs各疾患の有病率は以下の通りです

 

日本においても、糖尿病の患者数は約1,000万人、予備群を含めると2,000万人にのぼるとされ、他の生活習慣病も含めれば、国民の多くが何らかのリスクを抱えています

さらに、生活習慣病は日本の国民医療費の約3割、死亡原因の約5割を占めており、介護が必要となる原因の多くも生活習慣病に関連しています

特に現代社会では、朝食を抜いたり、外食や加工食品の頻度が高い、運動不足、長時間のデスクワーク、睡眠不足など、生活習慣病のリスクが高まりやすい環境が日常化しています

こうした傾向は若年層にも広がっており、子どもや若者のうちから、正しい生活リズムや健康への意識を育てる教育が重要です

予防のためには、まず次のような生活習慣の見直しが必要です

食生活の改善:塩分を控えめにし、野菜を多く摂り、バランスの取れた食事を1日3回きちんと取る

適度な運動:毎日30分程度のウォーキングや、階段の利用など身近な活動から始める

禁煙・節酒:喫煙はあらゆる生活習慣病のリスクを高め、過度な飲酒も健康に悪影響を与える

睡眠とストレス管理:6~8時間の質の良い睡眠を心がけ、ストレスをためない工夫をする

また、生活習慣病の予防においては、年齢や健康状態によって優先すべき対策が異なります

たとえば、肥満やメタボリックシンドロームの改善には減量が重要ですが、高齢者ではむしろ筋肉や体力を維持するために、適度な体重を保つことが求められます

国としての取り組みも進められており、「健康日本21」は、国民一人ひとりが満足できる人生を送るための健康づくりを目的とした運動です

健康寿命の延伸や健康格差の縮小を目指し、社会全体での健康づくりを推進しています

生活習慣病は、日々の「ちょっとした意識の積み重ね」で大きく予防できる病気です

自分自身の生活を振り返り、健康的な習慣を意識して実践していくことが、健康な未来への第一歩となります

参考文献

厚生労働省・生活習慣病予防協会HP

Akira Okada et al. Prevalence of Noncommunicable Diseases in Japan Using a Newly Developed Administrative Claims Database Covering Young, Middle-aged, and Elderly People(2021)

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