肩峰下インピンジメントがある方は、肩甲骨の後傾の減少と内旋の増加といった肩甲骨の運動学の変化があります。
これらの変化の1つの要因として、適応的に短縮した小胸筋の影響があると言われています。
今回は「小胸筋」に焦点を当てた論文をご紹介します。
◯ 研究デザイン
2群間比較研究
50人の健康な被検者を小胸筋静止長に基づいて長群と短群に分類
◯ 方法
3つの平面(矢状面・肩甲骨面・前額面)での腕の挙上中の肩甲骨の3次元的な動きを測定
挙上角度30°、60°、90°、120°で肩甲骨の位置を比較
◯ 結果
すべての平面で、短群は長群に比べて高い挙上角度で肩甲骨が前傾していた
短い小胸筋静止長をもつ群は、肩インピンジメント症候群患者と類似した肩甲骨の運動パターンを示した。
これらは適応的に短縮した小胸筋が肩甲骨の運動学に影響を与え、肩峰下インピンジメントの潜在的なメカニズムとなる可能性を示唆している
臨床的には…
肩の痛みがある方の小胸筋にも評価の視点を持ってみよう!
長時間の不良座位姿勢も小胸筋の短縮を招くため、普段のポジショニングも重要!
NEUROスタジオ東京
山岸 梓