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脳性麻痺と早産の関係とは?

お子さんが脳性麻痺と診断されたとき、多くの親御さんは「なぜ?」という疑問を抱かれます。特に早産だった場合、「もっと早く対処できなかったのか」という思いを持たれる方も少なくありません。

実は、周産期医療の目覚ましい進歩により、かつては救命が困難だった極早産児の生存率が大幅に向上しました。しかし同時に、脳室周囲白質軟化症(PVL)という脳損傷を原因とする脳性麻痺が増加しているという新たな課題も浮き彫りになっています。

本記事では、脳卒中・脳性麻痺のリハビリに特化したNEUROスタジオが、最新の国際研究をもとに、早産と脳性麻痺の関係、そして何より重要な早期介入の可能性について解説します。

早産児の救命率向上という医療の進歩

1970年代と現在の生存率比較

周産期医療は過去50年で劇的な進歩を遂げました。1970年代には、在胎28週での出生は生存が極めて困難でした。しかし現在では、在胎28週で生まれた赤ちゃんの95%が生存できる時代になっています。

さらに驚くべきことに、医療技術の進歩により積極的治療の対象となる週数も大幅に前倒しされています。2008年から2021年の間に、在胎22週での出生児に対するNICU入院が388%増加し、年間生存者数は4人から32人へと8倍に増加しました。

これは新生児集中治療室(NICU)の医療技術、人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理などあらゆる分野での進歩の賜物です。米国では出生体重1,500g未満の児の生存率が約90%に達しているという事実は、医療の進歩がもたらした大きな希望といえるでしょう。

日本における低出生体重児の動向

日本でも同様の傾向が見られます。興味深いことに、総出生数は1990年の1,221,585人から2012年には1,037,231人へと減少している一方で、低出生体重児(2,500g未満)の割合は6.3%から9.6%へと増加しています。

この背景には、晩婚化による高齢出産の増加、不妊治療の普及に伴う多胎妊娠の増加などが関係していると考えられています。また、母体の健康管理の向上により、以前であれば妊娠継続が困難だったケースでも出産まで至るようになったという側面もあります。

つまり、「救える命が増えた」ということは、医療にとって紛れもない進歩なのです。

救命の代償?脳室周囲白質軟化症(PVL)の増加

脳室周囲白質軟化症(PVL)とは

しかし、極早産児の生存率向上に伴い、新たな課題も明らかになってきました。それが脳室周囲白質軟化症(Periventricular Leukomalacia, PVL)です。

PVLは早産児における脳損傷の主要な形態であり、脳性麻痺と認知障害の重要な原因とされています。

PVLとは、簡単に言えば「脳の特定の部分が血流不足によって損傷を受ける状態」です。脳の中には「白質」という部分があり、ここは神経の「配線」のような役割を果たしています。早産児では、この白質を栄養する血管がまだ未熟で、血流が不足すると組織が損傷してしまいます。

特に脳室(脳の中の空洞)の周囲にある白質は、血管の構造上、虚血(血流不足)に弱い部分です。在胎32週以前の赤ちゃんでは、この部分が特に脆弱であることが知られています。

周産期医療とNICUケアの改善により低出生体重児・早産児・重症仮死児の生存率が著しく向上した結果、新生児脳損傷、特にPVLを伴って生存する児の数が増加しているという状況が生まれているのです。

PVLの発症メカニズム

PVLがなぜ起こるのか、そのメカニズムは複雑ですが、主に3つの要因が関与しています。

1. 血流動態の問題

早産児では脳血管の自動調節機能がまだ未熟です。通常、脳は血圧が変動しても一定の血流を保つ仕組みを持っていますが、早産児ではこの機能が十分に働きません。そのため、血圧が下がると容易に脳虚血(血流不足)に陥ってしまいます。

脳室周囲の白質は、ちょうど2つの血管系の「境界領域」に位置しています。水道でいえば、2つの蛇口から出た水がギリギリ届くかどうかの場所です。そのため、血流が少し減っただけで真っ先に影響を受けてしまうのです。

2. 細胞の脆弱性

在胎32週前後の時期は、脳の白質で「前髄鞘形成オリゴデンドログリア」という細胞が急速に分化している時期です。この細胞は将来、神経線維を覆う「髄鞘(ミエリン)」を作る重要な細胞なのですが、残念ながらこの分化過程にある細胞は非常に脆弱です。

前髄鞘形成オリゴデンドログリアは、グルタミン酸、フリーラジカル、炎症性サイトカインによる細胞死に対して高度に脆弱であることが分かっています。虚血が起こると、これらの有害物質が発生し、発達中の細胞を傷つけてしまうのです。

3. 炎症・感染の関与

母体の感染症や胎盤の炎症も、PVL発症の重要な要因です。感染に伴って産生される炎症性サイトカイン(TNF-αなど)が、脆弱な脳の細胞に直接ダメージを与えることが研究で示されています。

また、人工呼吸管理中の過度な換気による低炭酸ガス血症(血液中の二酸化炭素が減りすぎる状態)も、脳血流を減少させPVLのリスクを高めることが知られています。

脳室周囲白質軟化症(PVL)が脳性麻痺の原因となる理由

脳の白質と運動機能の関係

では、なぜPVLが脳性麻痺を引き起こすのでしょうか。それを理解するには、白質の役割を知る必要があります。

脳の「白質」は、神経細胞同士を結ぶ「配線」の集まりです。脳の表面にある「灰白質(運動をコントロールする司令塔)」から、脊髄を通って手足の筋肉へと命令を伝える神経の束が、この白質の中を通っています。これを「皮質脊髄路」と呼びます。

脳室周囲白質部、特に脳室の三角部と呼ばれる部分には、下肢(足)の運動を司る神経線維が密集しています。そのため、PVLでこの部分が損傷を受けると、脳からの運動指令が足の筋肉まで正しく伝わらなくなってしまうのです。

PVLによる脳性麻痺の特徴

PVLに起因する脳性麻痺には、いくつかの特徴的なパターンがあります。

痙直型両麻痺が最も多い

PVL児の研究では、痙直型四肢麻痺が最も多く見られますが、特に下肢優位の痙直型両麻痺が典型的です。これは、前述したように脳室近くに下肢への神経線維が通っているためです。

痙直型とは、筋肉が常に緊張して硬くなり、関節の動きが制限される状態です。足の筋肉が突っ張るため、つま先立ちのような姿勢(尖足)になったり、両足が交差する(はさみ足)歩き方になったりします。

損傷範囲と症状の重症度

PVLの範囲が広いほど、症状も重くなります。損傷が脳室のすぐ近くだけであれば、軽度の下肢の硬さ程度で済み、独歩(一人で歩くこと)も可能な場合があります。

一方、損傷が上肢を支配する神経線維にまで及べば四肢麻痺となり、視神経の通り道(視放線)まで達すれば視覚障害も合併します。

合併症について

PVL児の研究では、視覚・聴覚障害が最も一般的な合併症であり、てんかん、精神遅滞、言語障害も頻繁に見られることが報告されています。

これは、PVLが単に運動に関わる部分だけでなく、視覚情報を伝える経路や、発達に重要な他の脳領域にも影響を及ぼすことがあるためです。

どのくらいの割合で脳性麻痺になるのか

PVL児の20-60%が脳性麻痺を発症するとされ、この幅は主にPVLの重症度の違いによるものです。嚢胞性PVL(空洞ができるタイプ)では脳性麻痺の発症率がさらに高くなります。

逆に言えば、PVLと診断されても脳性麻痺にならない、あるいは軽度で済むケースも一定数存在するということです。

脳性麻痺の原因は早産だけではない

ここまで早産とPVLの関係を中心にお話ししてきましたが、脳性麻痺の原因は早産だけではありません。むしろ、原因は非常に多岐にわたります。

脳性麻痺の多様な原因

脳性麻痺は、「妊娠中から生後4週間までの間に生じた脳の非進行性障害による運動・姿勢の異常」と定義されています。原因となる時期によって、大きく3つに分類できます。

1. 出生前(妊娠中)の要因

  • 脳の形成異常: 遺伝子異常や染色体異常により、脳が正常に発達しないケース
  • 母体感染症: 風疹、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ、ジカウイルスなどの感染
  • 胎盤の問題: 血流不足、胎盤早期剥離など

2. 分娩時の要因

  • 低酸素性虚血性脳症: 分娩時の酸素不足による脳損傷
  • 核黄疸: 新生児黄疸が重症化し、ビリルビンという物質が脳に沈着して障害を起こす状態
  • 脳室内出血: 分娩時の圧迫などによる脳内出血

3. 生後(新生児期)の要因

  • 髄膜炎・脳炎: 生後の感染症による脳の炎症
  • 外傷: 事故などによる頭部外傷
  • 重度の脱水や低血糖: 代謝異常による脳障害

早産と正期産での原因の違い

重要なのは、早産児と正期産児では脳性麻痺の原因に違いがあるという点です。

早産児の場合: PVL(脳室周囲白質軟化症)が主要な原因となります。日本の栃木県での研究では、早産児では新生児仮死とPVLが最も頻繁な原因因子であり、これらは正期産児よりも有意に多いことが報告されています。

正期産児の場合: 低酸素性虚血性脳症(分娩時の酸素不足)が主な原因となることが多いです。

原因不明のケースも多い

実は、脳性麻痺の原因を特定することは必ずしも容易ではありません。画像検査で明らかな異常が見つからないケースもあり、「原因不明」とされることも少なくないのです。

これは決して医療の怠慢ではなく、脳の発達は非常に複雑で、複数の要因が微妙に絡み合って障害が生じることがあるためです。

早期発見と早期介入の重要性

脳性麻痺はいつわかる?

脳性麻痺の診断時期は、症状の重症度によって大きく異なります。

出生直後〜新生児期

重度の障害がある場合や、明らかな脳損傷が画像検査で確認された場合は、新生児期に脳性麻痺のリスクが高いことが分かります。しかし、この時期に確定診断されることは稀です。

NICU(新生児集中治療室)に入院している早産児の場合、定期的に頭部超音波検査が行われ、PVLの有無がチェックされます。嚢胞性の変化は出生後1週間以降に超音波検査で見えるようになることが多いため、経時的な観察が重要です。

生後6ヶ月頃〜1歳

多くの場合、この時期の発達の遅れや異常から疑われ始めます。

  • 首のすわりが遅い(生後4ヶ月を過ぎても首がぐらぐら)
  • 寝返りができない
  • お座りができない
  • 体が反り返りやすい
  • 筋肉の緊張が強い、あるいは逆にぐにゃぐにゃしている
  • 手足の動きが左右非対称

乳幼児健診(6ヶ月健診、1歳健診)で、こうした発達の遅れや異常が指摘され、精密検査へと進むケースが多いです。

1〜2歳

脳性麻痺の確定診断は、多くの場合この時期に行われます。運動発達の様子、筋緊張の状態、姿勢反射の異常などを総合的に評価し、さらに頭部MRI検査などで脳の状態を確認します。

軽度の場合は、歩行開始後(1歳半〜2歳以降)になって初めて、歩き方のぎこちなさから気づかれることもあります。

診断方法

脳性麻痺の診断は、以下の方法を組み合わせて行われます。

1. 神経学的診察

  • 運動発達のマイルストーン(首すわり、寝返り、お座りなど)の評価
  • 筋緊張の評価
  • 原始反射の残存や姿勢反射の異常の確認
  • 深部腱反射の亢進の有無

2. 画像検査

  • 頭部超音波検査: NICUでの早期スクリーニング。嚢胞性PVLの検出に有用
  • 頭部MRI: より詳細な脳の構造評価。非嚢胞性PVLや灰白質の関与も検出可能
  • 頭部CT: 緊急時や石灰化病変の評価

3. その他の検査

筋肉や神経の病気でないことを確認するため、血液検査、筋電図検査、遺伝子検査などが行われることもあります。

なぜ早期介入が重要なのか

脳性麻痺は現在の医学では「治す」ことはできません。しかし、早期からの適切な介入により、お子さんの機能を最大限に引き出すことができます。

1. 脳の可塑性が最も高い時期

乳幼児期の脳は驚くべき可塑性(柔軟性)を持っています。損傷を受けた部分があっても、他の部分がその機能を代償しようとする能力が非常に高いのです。

この時期に適切な刺激を与えることで、脳の神経回路が新たに形成され、運動機能の獲得につながる可能性があります。年齢が上がるにつれて可塑性は徐々に低下していくため、できるだけ早期に介入を開始することが望ましいとされています。

2. 二次的障害の予防

早期から適切なリハビリテーションを行うことで、二次的な障害を予防できます。

  • 関節拘縮の予防: 筋肉の緊張が続くと、関節が固まって動きにくくなります
  • 変形の予防: 成長期に異常な筋緊張が続くと、骨や関節の変形が起こることがあります
  • 痛みの予防: 不自然な姿勢や動作パターンは、将来的に慢性的な痛みの原因になります

これらを早期から予防することで、生涯にわたるQOL(生活の質)が大きく変わってきます。

3. 家族支援の開始

早期介入のもう一つの重要な意義は、ご家族へのサポートです。診断直後の親御さんは、情報不足や将来への不安で大きなストレスを抱えています。

早期から専門家と関わることで、

  • 正確な情報を得られる
  • 日常生活での関わり方を学べる
  • 同じような状況のご家族とつながれる
  • 利用できる社会資源の情報を得られる

といったメリットがあります。

脳性麻痺のリハビリテーション

リハビリテーションの種類

脳性麻痺のリハビリテーションは、お子さんの状態や年齢に応じて、複数の専門職が連携して行います。

1. 理学療法(PT: Physical Therapy)

主に粗大運動機能(座る、立つ、歩くなど)の改善を目指します。

  • 筋緊張の調整
  • 関節可動域の維持・拡大
  • 正しい運動パターンの学習
  • バランス能力の向上
  • 歩行訓練

具体的には、ストレッチ、筋力強化、姿勢制御の練習などを行います。必要に応じて、装具(足首を支える装具など)の作成・調整も行います。

2. 作業療法(OT: Occupational Therapy)

主に手の機能や日常生活動作(ADL)の獲得を目指します。

  • 手指の巧緻性向上
  • 食事、着替え、トイレなどのADL訓練
  • 学習に必要な姿勢保持能力の向上
  • 自助具の選定・使用訓練

お子さんが学校生活や将来の社会生活でできるだけ自立できるよう、実用的な能力の獲得を支援します。

3. 言語聴覚療法(ST: Speech-Language Therapy)

言語発達の遅れやコミュニケーション障害、摂食嚥下障害に対応します。

  • 言語理解・表出の促進
  • 構音(発音)の改善
  • コミュニケーション手段の獲得(必要に応じて代替手段も)
  • 摂食・嚥下機能の評価と訓練

特に、口や舌の筋肉の緊張異常がある場合、発音や食事に困難を生じることがあり、専門的な訓練が必要になります。

成人脳性麻痺へのアプローチ

脳性麻痺は「進行しない」疾患ですが、年齢とともに体の状態は変化します。成人期には、二次的な問題への対応が重要になってきます。

二次的障害とは

  • 筋骨格系の問題: 長年の異常な筋緊張や不自然な姿勢により、関節痛、腰痛、肩こりなどが生じる
  • 疲労: 日常生活で健常者以上のエネルギーを使うため、慢性的な疲労に悩まされることがある
  • 呼吸機能の低下: 姿勢の問題や呼吸筋の弱さから、呼吸機能が低下することがある

成人期のリハビリテーションの目標

  • 機能の維持・向上
  • 二次的障害の予防・軽減
  • QOL(生活の質)の向上
  • 社会参加の支援

成人の脳性麻痺の方に対しても、継続的なリハビリテーションは大きな意味を持ちます。

ニューロスタジオのアプローチ

ニューロスタジオでは、脳性麻痺児のリハビリで培った神経可塑性に基づくリハビリテーションのアプローチを、成人脳性麻痺の方にも応用しています。

脳卒中も脳性麻痺も、中枢神経系の損傷という点では共通しています。近年の神経科学の進歩により、成人になってからでも脳には可塑性があり、適切な刺激により機能改善が期待できることが分かってきました。

当院では、イギリス、スイス、イタリアなど海外での研修を10回以上重ね、国際水準のリハビリテーション技術を習得したセラピストが、お一人おひとりの状態に合わせたプログラムを提供しています。

よくある質問(FAQ)

Q1: 早産だと必ず脳性麻痺になりますか?

A: いいえ、必ずしもそうではありません。早産児の大多数は神経学的後遺症なく健康に成長します。

確かに、在胎週数が短いほど、また出生体重が低いほど脳性麻痺のリスクは上昇します。しかし、超音波検査で高輝度所見のみでPVLの嚢胞化が見られない早産児では、5%未満しか明らかな脳性麻痺を発症しないというデータもあります。

現在のNICU医療では、脳保護を意識した管理が行われており、リスクは確実に低減されています。

Q2: PVLは治りますか?

A: 損傷した脳組織そのものを修復することは、現在の医学では困難です。しかし、脳の可塑性を活かしたリハビリテーションにより、機能の改善は十分に期待できます。

「治る」と「改善する」は異なります。脳の損傷部位自体は元に戻りませんが、残された正常な脳が代償的に機能を獲得したり、適切な訓練により運動パターンを学習したりすることで、日常生活の能力は向上します。

特に早期から介入を開始した場合、発達の過程で機能獲得が進み、当初予想されたよりも良好な結果が得られることも少なくありません。

Q3: いつからリハビリを始めるべきですか?

A: できるだけ早期が望ましいとされています。診断がつき次第、あるいは発達の遅れが疑われた時点で、専門家に相談することをお勧めします。

前述したように、乳幼児期の脳は可塑性が非常に高く、この時期の介入が将来の機能獲得に大きく影響します。「まだ小さいから」「もう少し様子を見てから」と先延ばしにせず、気になることがあれば早めに相談しましょう。

ただし、「早期」とは「無理やり訓練する」という意味ではありません。月齢や発達段階に応じた、適切な刺激を与えることが大切です。

Q4: 成人になってからでもリハビリの効果はありますか?

A: はい、年齢に関わらず、適切なリハビリテーションにより機能維持や改善の可能性があります。

確かに、乳幼児期ほどの劇的な変化は期待しにくいかもしれません。しかし、近年の研究で、成人の脳にも可塑性があることが分かってきました。

成人期のリハビリの目標は、新たな機能獲得だけでなく、現在の機能を維持すること、二次的な障害を予防すること、痛みを軽減することなど、QOL向上に焦点を当てたものになります。

実際、当院でも成人の脳性麻痺の方が継続的にリハビリを受けられ、歩行能力の改善や痛みの軽減などの成果を実感されています。

まとめ

周産期医療の進歩により、かつては救えなかった命が救えるようになりました。在胎22週という極早産児でさえ、現在では生存の可能性があります。これは医療にとって大きな進歩です。

その一方で、生存した極早産児の一部に、脳室周囲白質軟化症(PVL)を原因とする脳性麻痺という新たな課題が生まれています。低出生体重児の生存数増加に伴い、神経学的障害を示す児の絶対数も増加しているのが現状です。

しかし、だからといって悲観する必要はありません。早期発見・早期介入により、お子さんの持つ可能性を最大限に引き出すことができます。脳の可塑性は私たちが思う以上に大きく、適切なサポートにより多くのお子さんが様々な能力を獲得していきます。

参考文献

  1. Deng W, Pleasure J, Pleasure D. Progress in Periventricular Leukomalacia. Arch Neurol. 2008;65(10):1291-1295. DOI: 10.1001/archneur.65.10.1291
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  7. Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan. Vital Statistics and trends in low birth weight infants. Brain and Development. 2023.

執筆者情報

大上祐司(おおうえ ゆうじ)
NEUROスタジオ大阪 施設長 / 理学療法士

主な研究業績
2019年 ボバースジャーナル42巻第2号 論文発表(2編)
『Sit to Walkの効率的な運動遂行を獲得するために臨床推論を行い改善が得られた1症例』
『被殻出血後7ヶ月経過し、屋外歩行自立に向けて挑戦した1症例』

研修会受講歴
2018年 イギリス海外研修参加(脳卒中治療技術)
2019年 イギリス海外研修参加(最新エビデンス習得)
継続的な国内外研修会参加によるスキルアップ

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