はじめに
脳卒中や中枢神経疾患のリハビリテーションを自費で受けている方、またはこれから受けようと考えている方にとって、費用負担は大きな関心事の一つです。
実は、自費リハビリであっても、医師の指示のもとで治療目的で行われる場合には、医療費控除の対象となる可能性があります。ただし、すべての自費リハビリが対象となるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。
この記事では、自費リハビリで医療費控除を受けるための条件や必要な手続きについて解説します。実際に控除が受けられるかどうかは個別のケースにより異なりますので、必ず事前に所轄の税務署にご確認ください。
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医療費控除とは
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税の一部が還付される制度です。本人だけでなく、生計を一にする家族の医療費も合算できます。
控除の対象となる金額
医療費控除額の計算式:
(実際に支払った医療費の合計 – 保険金等で補填される金額) – 10万円
※ただし、総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%
・控除の上限: 最高200万円まで
対象となる医療費の基本的な考え方
国税庁の規定によると、医療費控除の対象となるのは以下のような費用です。
- 医師または歯科医師による診療または治療の対価
- 治療または療養に必要な医薬品の購入費用
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(治療目的に限る)
- 介護保険制度下での訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションなどの医療系サービス

自費リハビリが医療費控除の対象となる条件
自費リハビリで医療費控除を受けるためには、以下の条件を満たすことが重要です。
1. 医師の診断と指示に基づくリハビリであること
最も重要な条件は、医師の診断と指示に基づいてリハビリテーションが行われていることです。
理学療法士及び作業療法士法では、理学療法士・作業療法士は医師の指示のもとで業務を行うことが定められています。そのため、治療としてのリハビリテーションには医師の関与が不可欠です。

2. 治療・機能回復を目的としていること
リハビリテーションが、病気や障害の治療や機能回復を目的としたものである必要があります。
対象となりやすいケース:
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血など)後の機能回復訓練
- 脳損傷や脊髄損傷後のリハビリテーション
- パーキンソン病などの神経疾患に対する機能維持・改善訓練
- 整形外科疾患の術後リハビリテーション
対象となりにくいケース:
- 健康増進を主目的とした運動指導
- 疾病予防を主目的としたトレーニング
- 単なる体力向上やフィットネス
3. 医療機関との適切な連携があること
医師が常駐していない施設で自費リハビリを受ける場合でも、医療機関との連携体制があることが望ましいとされています。
医療費控除を受けるために必要な書類
自費リハビリで医療費控除を申請する際には、以下の書類を準備することが重要です。
1. 医師の指示書
最も重要な書類です。リハビリテーションが医学的に必要であることを示す、医師による指示書を取得してください。

取得方法:
- 主治医(かかりつけ医、退院した病院の担当医など)に相談
- 「自費リハビリを受けるため、リハビリテーション指示書が必要」と伝える
- NEUROスタジオから主治医への情報提供も可能です
2. リハビリテーション計画書
リハビリテーション計画書も重要な補助資料となります。
計画書の内容:
- 医師の指示に基づいた具体的なリハビリ目標
- 実施する訓練内容
- 実施頻度と期間
- 評価方法と進捗記録
3. 領収書
NEUROスタジオが発行する領収書は必須です。
領収書に記載される情報:
- 施設名と所在地
- サービス内容
- 日付

4. その他の参考資料
状況に応じて、以下の書類も準備しておくと良いでしょう。
- 診断書(医師が作成したもの)
- 治療経過報告書
- 検査結果(必要に応じて)
NEUROスタジオでの医療費控除に関する対応
NEUROスタジオでは、医療費控除の申請を検討されている方に対して、以下のサポートを行っています。
主治医との連携サポート
NEUROスタジオは、必要に応じて医療機関との連携を図っています。
具体的なサポート:
- 主治医へのリハビリテーション指示書依頼のサポート
- 主治医への診療情報提供(リハビリ実施状況の報告など)
- 必要に応じた提携医師との相談体制
重要な留意点

医療費控除の申請方法
確定申告での手続き
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。

e-Taxでの申告も可能
マイナンバーカードをお持ちの方は、オンラインでの申告も便利です。自宅から24時間申告できます。
医療費通知の活用
健康保険組合から発行される「医療費のお知らせ」を添付すると、明細書の記載を簡略化できます(ただし、自費リハビリは健康保険適用外のため、医療費のお知らせには記載されません)。
注意点とアドバイス
必ず税務署に事前確認を

医師との継続的な連携が重要
医療費控除を受けるためには、医師の指示書が非常に重要です。
推奨事項:
- 定期的に主治医の診察を受ける
- リハビリの進捗状況を主治医に報告する
- 必要に応じて指示書の更新を依頼する
全額が控除されるわけではありません
医療費控除は所得税の「控除」であり、支払った医療費が全額戻ってくるわけではありません。控除額に応じて所得税が軽減される仕組みです。

過度な期待は禁物
すべての自費リハビリが医療費控除の対象となるわけではありません。
対象とならない可能性があるケース:
- 医師の指示書がない場合
- 健康増進や予防を主目的とする場合
- 治療目的であることが明確でない場合
税務署の判断が最終決定となりますので、確実性を求める方は事前相談が不可欠です。
よくある質問

まとめ
自費リハビリで医療費控除を受けることは可能ですが、以下の点を必ず押さえてください。
医療費控除を受けるための3つの必須条件
- 主治医からリハビリテーション指示書を取得する
- 治療目的でリハビリを受けていることを明確にする
- 領収書や関連書類をしっかり保管する
最重要事項

NEUROスタジオでのサポート
NEUROスタジオでは、医療費控除の申請を検討されている方に対して、以下のサポートを提供しています。
- 詳細な領収書の発行
- 主治医への情報提供のサポート
- 提携医師との連携体制
ただし、医療費控除の適用を保証するものではありません。最終的な判断は税務署が行います。

執筆者情報
大上祐司(おおうえ ゆうじ)
NEUROスタジオ大阪 施設長 / 理学療法士

主な研究業績
2019年 ボバースジャーナル42巻第2号 論文発表(2編)
『Sit to Walkの効率的な運動遂行を獲得するために臨床推論を行い改善が得られた1症例』
『被殻出血後7ヶ月経過し、屋外歩行自立に向けて挑戦した1症例』
研修会受講歴
2018年 イギリス海外研修参加(脳卒中治療技術)
2019年 イギリス海外研修参加(最新エビデンス習得)
継続的な国内外研修会参加によるスキルアップ
