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生活習慣病 −動脈硬化−

動脈硬化とは?

動脈硬化とは、血管が硬くなったり、内側が狭くなったりすることです。


血管は本来、ゴムのようにしなやかで、血液をスムーズに流す役割をしています。
でも、動脈硬化が進むと、血管がかたくなり、血液が流れにくくなります。

この状態が悪化すると、

心筋梗塞(心臓の血管がつまる)

脳梗塞(脳の血管がつまる)
など、命にかかわる病気を引き起こす危険があります。

従来、動脈硬化は「脂質が血管に沈着するだけ」と考えられていました。しかし、最新の研究で、動脈硬化は血管内皮(血管の内側の壁)の損傷とそれに続く炎症が中心だとわかってきました。

動脈硬化が進む仕組み

① 血管に小さなキズができる
 → たとえば、高血圧や喫煙、糖尿病などが原因で血管に負担がかかり、小さな傷ができます。

② コレステロールがたまる
 → 血液中の悪玉コレステロール(LDL)が傷ついた場所にたまり、プラーク(かたまり)を作ります。

③ 血管の内側がせまく、かたくなる
 → プラークが大きくなると血管が狭くなり、血液が流れにくくなります。

④ 最悪の場合、プラークが破れる
 → 破れた場所に血のかたまり(血栓)ができて、血管が完全にふさがれます。これが心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。

生活習慣病との関係

動脈硬化は、生活習慣病と深く関わっています。
生活習慣病とは、普段の生活スタイル(食事・運動・喫煙・飲酒など)が原因で起こる病気です。

特に動脈硬化を進めやすい生活習慣病は次の通りです。

動脈硬化の主な検査方法

動脈硬化は目に見えないので、専用の検査で進行具合を調べます。
代表的な検査は次の通りです。

① 血液検査 👉 血液中の脂質や糖の状態をチェックします。

・LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

・HDLコレステロール(善玉コレステロール)

・中性脂肪

・血糖値(空腹時血糖・HbA1c)

これらが高いと、動脈硬化が進みやすいと判断されます。

② 血圧測定 👉 高血圧は血管に負担をかけ、動脈硬化を進めます。
定期的に血圧を測ることも、間接的な動脈硬化チェックにつながります。

③ ABI(足関節上腕血圧比)検査 

👉 腕と足の血圧を同時に測り、その比率を調べます。

・通常、足の血圧は腕より少し高いです。

・足の血圧が低すぎると、動脈硬化で血管が狭くなっている可能性があります。

※ 簡単・短時間でできるので、健康診断などでも取り入れられています

④ 血管エコー検査(頸動脈エコーなど)

👉 超音波で、血管の状態を直接見る検査です。

・頸動脈をチェックすることが多いです。

・プラークや血管の厚みを測定します。

⑤ CT検査・MRI検査  

・CTで血管の石灰化を確認。

・MRIで血管のつまり具合やプラークの性質を詳しく見ることもできます。

※ 少し本格的な検査なので、症状がある人向けに行われることが多いです。

まとめ

・動脈硬化は血管がかたく・せまくなる病気

・原因は、血管の傷+コレステロールのたまり

・進行すると心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まる

・高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの生活習慣病が大きなリスクになる

・バランスのよい食事・運動・禁煙が予防のカギ!

参考文献

Libby, P. (2002). “Inflammation in Atherosclerosis.” Nature

Ross, R. (1999). “Atherosclerosis — An Inflammatory Disease.” New England Journal of Medicine

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