背景
肩の動きにおいて、上腕骨と肩甲骨の同調的な動きが重要である。
異常な肩甲骨の動きは、肩の障害(インピンジメント症候群や不安定性など)の原因となりうる。
肩甲骨の動きを3次元的に評価する高度な技術はあるが、臨床での使用には適していない。
そのため、コストと時間の効率が良く臨床で使える肩甲骨の運動評価法が必要とされている
目的:
静的測定技術を用いて肩甲骨の位置パターンを評価
方法:
27名の健常者
・利き手側/非利き手側
・運動面(肩甲骨面/矢状面)
・運動方向(上昇/下降)
・上腕の角度(安静・30度・60度・90度・120度)
上記4要因について比較を行った
結果:
・120°の上腕挙上時、肩甲骨面方が矢状面よりも優位に大きな肩甲骨の上方回旋を示した。
・肩甲骨は安静時から30°までわずかに下方回旋を呈し、その後上方回旋するパターンを示した。
臨床的には、
・肩の痛みがある方のリハビリは、肩甲骨面での運動を優先して行う(インピンジメントのリスクを低減させる可能性)
・セッテイング期はおそらく上肢運動に伴う肩甲骨の安定性を提供しているため(僧帽筋・前鋸筋のコラム参照)動作開始時の肩甲骨の動きも丁寧に観察できると◯
参考論文
NEUROスタジオ東京
山岸 梓