🧠 脳梗塞とは?
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血流が止まることで脳の細胞の機能が低下してしまう病気です
脳の血液が届かなくなると、酸素や栄養が不足し、その部分の脳細胞がダメージを受けます
主な種類
① アテローム型脳梗塞
原因
動脈硬化によって脳の太い血管(例:頸動脈や中大脳動脈)の内側にプラーク(脂質のかたまり)がたまり、そこに血栓(血の塊)ができて詰まる
特徴
・比較的ゆっくり症状が進行する
・一過性脳虚血発作(*TIA)を先に起こすことが多い
・高血圧・糖尿病・高脂血症の人に多い
*一過性脳虚血発作(TIA)とは?
脳梗塞と同じような症状が出るが、24時間以内に完全に回復する一時的な発作で、
TIAは将来の脳梗塞の予兆とされており、放置せずに受診・予防が必要です
② 心原性脳塞栓症
原因
心臓でできた血栓(特に心房細動などの不整脈による)が脳の動脈に飛んで詰まる
特徴
・突然・急激に発症する
・血管の詰まりが大きく、重症化しやすい
・意識障害や広範囲の麻痺などを起こしやすい
③ ラクナ梗塞(小血管閉塞型)
原因
・脳の非常に細い動脈(穿通枝)が詰まる
・高血圧による動脈の変性が主な原因
特徴
・直径15mm以下の小さな梗塞
・症状が軽いことが多く、無症候性(無症状)の場合も
・ただし、繰り返すと認知機能が低下するリスクあり

脳梗塞の主な症状
片側の手足の麻痺・しびれ
体の片側(右または左)の手や足が動かしにくくなったり、しびれたりします
顔の麻痺
片方の口元だけが垂れ下がる、笑っても顔が左右非対称になる
言語障害
言葉がうまく話せない(構音障害)
言葉が出てこない・意味がわからない(失語症)
聞いたことは理解できるが、うまく言葉にできないこともあります
視覚の異常
視野が欠ける(半分だけ見えないなど)
物が二重に見える(複視)
めまい・ふらつき・バランス障害
小脳や脳幹に異常がある場合に多い
歩けなくなる、ふらついて転びそうになる
意識障害
ひどい場合は意識がもうろうとしたり、昏睡状態に陥ることも
🧬 主な原因・危険因子
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症(高コレステロールなど)
・喫煙
・過度の飲酒
・心房細動(不整脈の一種)
予防法
・塩分を控えたバランスの良い食事
・定期的な運動
・禁煙・節酒
・ストレス管理
・定期的な健康診断
・高血圧や糖尿病のある方はきちんと治療
🚑 治療について
・発症してすぐ(4.5時間以内)なら、血栓を溶かす薬(t-PA)を使うことがあります
・状況によっては、カテーテルで血栓を除去する治療も行われます
・発症後はリハビリがとても大切です
🧠 脳梗塞の主な後遺症
① 運動障害(片麻痺・歩行障害)
② 言語障害(失語症・構音障害)
③ 認知機能障害・記憶障害
・物忘れがひどくなる
・理解力や判断力の低下
・注意力が続かない
④ 感覚障害・しびれ・痛み
・手足のしびれ、違和感
・触られても感覚がない
・脳卒中後疼痛(神経障害性の痛み)
→見た目には分かりにくいですが、日常生活の質(QOL)を下げる要因になります
⑤ 嚥下障害(えんげしょうがい)
・食べ物や飲み物が飲み込みにくくなる
・誤嚥(ごえん)→ 肺炎の原因になることも
⑥ 感情や性格の変化
・うつ状態や無気力
・怒りっぽくなる、感情のコントロールができない
👪 家族・介護者が知っておきたいこと
・後遺症は「見えにくい障害(しびれ・疲労・集中力低下)」も多いため、周囲の理解が大切です
・焦らず、根気よくリハビリを続けることで、回復の可能性が高まります
・必要に応じて言語聴覚士・作業療法士・理学療法士など専門職の支援を受けることが重要です
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